薬学生から医学生、そして医師へ

薬学部から医学部に学士編入した医師によるブログ。初期研修医として日々研鑽中。実はチョコ屋さんでもあります。

山下弘子さんのドキュメンタリーをみて

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昨日、今年3月にがんとの闘病の末亡くなられた山下弘子さんのドキュメンタリーがテレビでやっていたので見ていました

 

僕は恥ずかしながら、このドキュメンタリーに関するツイートが流れてくるまで山下さんの存在を知りませんでした。

 

 

twitter.com

 

 

山下さんは、大学在学中の19歳の時ににがんを発症し、余命半年と宣告され、それ以降20回以上にも及ぶ手術と治療を行ってきました。

そして、今年3月余命半年といわれながらも25歳まで人生を駆け抜け、亡くなられました。

もし、僕が23歳の今、余命半年と宣告されたら彼女のように前を向いて生きていくことができるだろうか。

 

そう考えたとき、僕は言葉が出なかったですし、医学部生として、がんを研究している人間として必ずこのドキュメンタリーは見なければいけないなと思いました。

 

 

僕は、山下さんと会ったこともないですし、直接話したこともありません。

でも、テレビ画面の向こうにいる彼女を見るだけで、彼女は強い人だということがひしひしと伝わってきました。

 

一番突き刺さった言葉は

 

「なんでみんな私ががんを患っているというだけで特別だと思うのか意味がわからない。」

 

です。

 

僕らのように健康な人たちは、疾患を患っている方を特別視して、いつもより優しくしなきゃとか、けがのないように見守ってなきゃと思うことが多いですよね

 

これは決して間違ったことではないですし、人間味のある素晴らしい対応だと思います。

でもそれが、行き過ぎると相手からしたら気を遣われていると感じてしまうのかもしれません。

 

僕は今後、医療者として患者さんを目の前にして活動していくことになります。

個々の患者さんにどういった対応をすることが最適解なのか、、、

おそらく、明確な答えはないと思いますが、即座に患者さんの心をキャッチできるように日々アンテナを張って生活していきたいなと思います。

 

 

山下さんは、素敵な旦那さんと出会い結婚もされ、ダイビングや富士登山などいろんなことに挑戦を続けながら、今年3月に25年の人生に幕を下ろされました。

 

もっとやりたいこともあっただろう、もっと伝えたいこともあっただろう

 

自分の生きている世界には、やりたいことがあってもできない人がいることを改めて理解しました。

 

今、自分にはやりたいことがたくさんあります。伝えたいこともたくさんあります。

 

僕には、明日やればいっか、また今度にしよう 

そう思ってしまう悪い癖があります。

 

そう思ってしまった時には、やりたいことがあってもできなかった山下さんのことを思い出して、彼女の分も自分のやりたいことをやっていきたいなと思います。

 

 

 

僕が一番達成したいのは、がんで苦しむ人をこの世界からなくすことです 

 

ひとりのがん研究者として、山下さんのようにがんで亡くなってしまう方がいなくなる世界を作り出せるように頑張ります