僕は今年の4月から医師になりました。
21歳のとき、医師になりたいと思ってから、6年かかりました。
今は、都内の病院で初期研修医として、たくさんの患者さんと関わらせていただいております。
いろんな病気の患者さんと関わる中で、常に僕の頭の中によぎることがあります。
それは、目の前の人が患者さんであるとと同時に、僕自身も常に患者であること。
僕は生まれつき心臓に病気をもっています。
ファロー四徴症という、国家試験にも出てくる、そして、それなりに大変な病気です。
今ブログを書いている僕の胸には大きな切開痕があります。
先日、初期研修医同士で、心電図をとったところ、わかってはいたのですが、僕の心電図には綺麗に右脚ブロックがありました。(心臓の右側に電気信号が伝わりにくい)
少なくとも30代のうちには、もう一回心臓を止めての開胸手術をしなければいけない。
という事実も僕の中に常にあります。
先日こどもの日に、こんなツイートをしました。
僕と同じ病気を持つ方、お子さんを持つ親御さん、心臓血管外科の医師、循環器内科の医師、看護師さんなどたくさんの方がメッセージをくれました。
僕が今こうして、医師として生きていることができるのは、両親をはじめとした、たくさんの人のおかげです。
今は、忙しいながらも充実した恩返しの日々を送っています。
ファローの僕も参加
— 中村恒星 / andew代表 (@kkkkosei777) 2023年5月5日
医者になって今から恩返し。
治療をすれば元気になると聞いても不安
になってしまってる親御さんたちへ病児
たちへ。そして当時助けてくれた医療
従事者へ。#先天性心臓病#先天性心疾患#大人になった先天性心疾患児#先天性心疾患児も大人になる#成人先天疾患者の現在と過去 pic.twitter.com/hqjqaQqqxf
患者さんと毎日まっすぐ話す
研修医になってから、ある程度の人数の患者さんを担当させていただいております。
手前味噌ですが、「先生が担当医でよかった」と何人かの患者さんに言っていただくことができました。
僕が今の病院に就職した時、自分の中でひとつ決めたことがあります。
「自分が担当になった患者さんとは、まっすぐ向き合って話そう」と。
疾患のこと、治療内容を理解することは当然。
その上で、その病気を持ったひとりの個人が治療とともに、どのように心や感情が変化していくのか、ちゃんと感じ取ろうと。
朝、夕の回診の時に、病気や症状のことはもちろん話しますが、週末の出来事やテレビのことなどいろんな話をするようにしています。
なんとなくですが、若い研修医って患者さんからしたらちょっと話しやすいんじゃないかなって思っています笑
(僕、ぱっとみの見た目もこんちゃーすみたいな感じなのもあって余計話しやすいんじゃないかと勝手に自己評価しています笑)
でも、それは僕がこどもの頃、入院していた際に、朝夕の2回だけでも楽しい話ができるだけで、かなり気持ちが楽になることを知っているから。
だから、雑談も少しはするようにしています。
研修医で、まだある程度時間に余裕がある2年間は、ひとりひとりと丁寧に向き合うようにしてきたいです。
僕の持っている病気のことはこちらの記事でもまとめているので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。
そして、僕という存在が誰かの支えになれば、と思いながら日々頑張っています。