薬学生から医学生、そして医師へ

薬学部から医学部に学士編入した医師によるブログ。初期研修医として日々研鑽中。実はチョコ屋さんでもあります。

GODIVAの戦略

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今日はみなさんご存知GODIVAのブランド戦略について書きます。

GODIVAといったらみなさんどんなイメージを持っているでしょうか。

 

「高級」「特別」「プレゼント」

 

そんなイメージがあるのではないでしょうか。

僕もそうです。

GODIVAあげるって言われたら「おおこんないいものをありがとう」となるでしょう。

そう、GODIVAには高級というイメージが刷り込まれています。

そんなGODIVAが近年どんな戦略に出ているのか解説していきます。

GODIVAブランド

GODIVAの誕生

GODIVAは、1962年にベルギーのブリュッセルにて産声をあげます。

ショコラティエであったドラップスが自宅の地下室を使い、チョコレートの製造を開始します。

4人の子どもたちで製造に協力し、箱詰め、配送まで行っていました。

 

高級ブランドへ

創業者のドラップスの死後、残った4人の子どもたちが大活躍します。

ジョセフは顧客の心を理解する才能を持っていました。

ピエールは絶えず新しいチョコレートを開発する創造力を持ち、

フランソワは滑らかなマジパンとおいしいゼリーの作り方をマスター。

イヴォンヌは包装紙やリボンなど、美しいパッケージを開発します。

(GODIVAホームページより引用)

 

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ジョセフが顧客のニーズを捉え、ピエールがチョコレートに磨きをかけ、フランソワがそのチョコレートの選択肢を広げ、イヴォンヌが芸術へと昇華させる。

完璧なチームが出来上がっていました。

 

そして1945年、GODIVAと名前を変え、1948年にブリュッセルにお店をオープン。

季節のテーマ、折々の出来事を題材に、ユニークなチョコレートを次々と開発し、同時に美しいディスプレイやラッピングが店内を飾ることになります。

この時点でGODIVA は、「特別」という立ち位置を獲得したのかもしれません。

海外展開

1972年にニューヨークに出店して以降、ヨーロッパをはじめとして、北米、アジア、ロシアに至るまで世界各国に店舗を展開しました。

この時には、GODIVAは世界各国で盤石な地位を築いていました。

 

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重要なポイント

GODIVAがここまで拡大したのには、やはり4人の子どもたちの功績が大きいのでしょう。

上述したこの部分。

ジョセフは顧客の心を理解する才能を持っていました。

ピエールは絶えず新しいチョコレートを開発する創造力を持ち、

フランソワは滑らかなマジパンとおいしいゼリーの作り方をマスター。

イヴォンヌは包装紙やリボンなど、美しいパッケージを開発します。

 

やはりブランドを作り上げるのは、強固なチームだと勉強になりました。

顧客のニーズをしっかり掴み、チャレンジングに開発を続け、お客さんの手元にまで気を配る。

ここまで一貫してようやくブランドは完成する。なるほど。

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このドリンクを飲んだことがある人も多いのでは?

   

21世紀のGODIVA

世界各国で高級ブランドとしての立場を築いたGODIVA。

しかし、最近はコンビニでもその名前を目にすることができることはご存知でしたか?

たとえばこれ

LAWSONとGODIVAのコラボウチカフェ商品。

ローソン標準価格 350円(税込)

www.lawson.co.jp

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ウチカフェだけではなく、普通のチョコレートも全国のファミマ、ローソンなどで購入することができます。

各378円(5本入り)

prtimes.jp

日本でのこの戦略がどうGODIVAに影響を与えたのか。

ひとつの側面から考えたいと思います。

 

今までリーチできていなかった層にリーチできるようになった

GODIVAがどれだけ有名でもGODIVAの実店舗を見かけることはなかなかないですよね。

札幌であれば札幌駅近辺に5店舗といったところでしょうか

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田舎出身の僕からしたら多いほうですが、どこもデパート内に入っているのでお金のない大学生が遭遇するかといったら遭遇しないわけです。

でも、コンビニにあったらどうでしょうか。

少なくとも1週間に1回もコンビニに行かないことはありませんから、GODIVAの文字に遭遇する可能性もグッとあがります。

さらに、上記のウチカフェやチョコレートともに350円前後と、大学生でも手の届く価格です。

この価格設定と販路拡大により、確実に自社製品をリーチできる層が増えたはずです。

さらにもともと高級ブランドとしての確固たる地位を確立していたことも相まって、「え、この価格でGODIVAが食べれるの?」というお得感も演出できるでしょう。

 

事実、コンビニに進出して以降、GODIVAの売り上げは右肩上がりで上昇しています。

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さらに社内にCDO(Chief Data Officer)のポストを用意し、データ分析に力を入れ始めた。

「憧れを身近に」の企業理念に合致するような戦略で着実に売り上げを伸ばし、顧客層も広げているように感じます。

 

ブランドの損失

しかし、コンビニに進出したことはいいことばかりではありません。

これはネットにあがっていた実際の消費者の声です。

 

バレンタインデーにGODIVAのチョコレートをあげたら女性に「最近、コンビニでも売ってるよね」と言われてしまう男性のリスクをどう考えるか。

 

なるほど。

高級ブランドであるからこそ、身近すぎることが弊害になる可能性がある。

確かに、せっかくちょっと背伸びして慣れないGODIVAを買ってプレゼントしたのに、女性からこう言われたらめっちゃショックですよね笑

今後GODIVAが消費者のこういった声にどう対応していくのか注目したいところです。

 

 今日のひとこと