ついにこの日がきました。
まさか1年半前は、自分がチョコレートをつくるヘルスケア企業の社長になるなんて夢にも思っていませんでした。
僕は、andewをきっかけにして大きな絵を思い描いています。
その絵が描かれるはずの真っ白なキャンバスに初めて色をつけたこの日に、今の思いを残しておこうと思います。
andewで成し遂げること。
andewで実現したい世界は、病気によって食べ物を満足に食べることができなくなった方と食の不自由を持っていない方が同じものを一緒に笑いあいながら食べる世界です。
結果として、完全食という領域に足を踏み入れましたが、もともとは満足にたべることができずに栄養不足に陥ってしまう患者さんや高齢者の方により楽に栄養をとってもらうにはどうしたら良いかと考えた結果です。
完全食という素晴らしい領域に医学のコンセプトをもって初めて参入する企業として本当に誇らしく思います。
しかし、僕たちにはクリアしなければいけない大きな壁がありました。
それは患者さんの「みんなと同じものを一緒に食べたい」という声を実現することです。
そしてそれを実現するためには、医療界のみでの流通で終わらせるわけにはいきませんでした。
病気を持っていても持っていなくても、手を取り合って一緒にandewを食べなければ意味がないのです。
だから、andewは、コンセプトやネーミング、ロゴ、味、パッケージ、キャッチコピーの全てにこだわる必要がありました。
そこで、僕たちが頼ったのが、Colonb's (https://colonbs.com/)でした。
代表の波多野(@hiroto_2d1y) とは、彼が東京医科歯科大学の医学生ということもあり、以前から親交があり、東京に行った際は何度か家に泊まらせてもらったりしていました。
また、Colonb'sの活動に参加したり、なぜかColonb'sの飲み会にそのまま参加したりと気づけば彼のみならず彼らの医療に対する考え方が好きになっていました。
そして、彼らにネーミングとロゴを依頼することに決めました。というか、チョコレートを開発する前からそれは決めていました。
そして、できた名前がandewなのです。
andewという名前は、and youからきています。
患者さんの、みんなと一緒に食べたいという思いをストレートに表現してくれています。
またロゴはカカオ豆を表現しており、真ん中に線が入っているのは、手と手を
繋いでいる様子を表現しています。
これもまさに一緒に食べたいという思いを表現してくれました。
さらにColonb'sさんには、ギフトボックスのデザインもしていただきました。
スモーキーピンクを基調としたデザインに、金字の箔押してandew。
そしてその下に、「ことばよりまっすぐつたわるチョコレート」と入れさせていただきました。
スモーキーピンクを基調にゴールドのおしゃれな箔押しにしたことにも明確な理由があります。
それは、ある時ヒヤリングでとあるおばあちゃんと話していたときでした。
「歳をとってもな、心は乙女なんよな。でも、高齢者向けの食品っておしゃれじゃないんだよな。」
この言葉から、栄養が入っているや完全食であるという言葉は省き、一見おしゃれなチョコレートであることに徹底的にこだわりました。
そして、新宿を歩く若い女性と、田舎の高齢者施設のおばあちゃんが同じものを食べている世界を作りたいです。
僕にはその世界がもうすぐそこにきているのが明確に見えています。
また、「ことばよりまっすぐつたわるチョコレート」にも明確な意味があります。
プレゼントというものは、ちょっと照れくささが常に見え隠れするものです。
世の中にはその照れくささから、プレゼントをすることを避けてしまう人もいるのではないでしょうか。
実は僕がけっこうそれだったりします。
そんな人でも、照れくさくて言葉が足りなくてもしっかりと想いが伝わるようにブランディングをしました。
andewという名前から、あなたと一緒にいたいことを。
完全食であるということから、あなたの健康を願っていることを。
あなたの代わりに伝えることができる、そんなギフトボックスにしていただきました。
名前とロゴ、ギフトボックスから表現されているように、患者さんと周囲の人々が一緒にandewを分け合う世界を作ることが僕たちの大きな使命であり、実現したいことです。
そして、Colonb'sの皆様、こんなに素敵な名前とロゴ、ギフトボックスをいただき本当にありがとうございます。
Colonb'sのメンバーと一緒にに仕事ができて本当に嬉しいです。
環境問題に対して僕たちができること。
実は今まで、中村はほぼ外部に公言してきませんでしたが、医療以外で何に興味があると言われたら迷わず環境問題です。
けっこう真剣に何かしてみたいと思っていました。
でも、環境問題は、医療以上に長期にわたって、多数の参加者の行動の結果、改善していくものであり、何から手をつけたらいいのか非常に難しいです。
しかし、このandewを通して、微力ながらも環境問題に対する提言をできればと思います。
andewの原材料はすべて植物性であり、ミルクなどの動物性の原材料は一切使用しておりません。
動物性食品の生産における温室効果ガスの排出量は、すべての飛行機や船舶、車などすべての交通機関が排出する温室効果ガスの排出量に匹敵すると言われています。
andewを通して貢献できることは、環境問題という大きな枠組みから考えるとほんとにちっぽけなことかもしれません。
しかし、身近にできることから少しづつ、そしてandewを通してユーザーの方が環境問題にも目を向けてくれたら嬉しく思います。
最後に
僕たちはまだまだここからの組織です。
うまくいくこともうまくいかないこともいろいろな経験をすることと思います。
でも、笑顔にしたい患者さんたちの顔が明確に思い浮かぶからこそ、そして自分たちの自己実現のためにも、日々全力で頑張ります。
走り始めた、僕たちの挑戦。
どうか暖かく見守っていただけると幸いです。
いざ勝負。
2020年5月20日
株式会社SpinLife 代表取締役
北海道大学医学部医学科4年
中村恒星